牧師のメッセージ

2021年12月19日 子ども教会クリスマス礼拝

クリスマス・メッセージ 「ひとりじゃないよ」
              石井智恵美 牧師
 「マリアは月が満ちて、初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。」(ルカ福音書2章6節~7節)
 クリスマスの礼拝に、特別なお話をしたいと思って、絵本を持って来ました。これはウイリアム・クアレックというカナダの画家が描いた母マリア、父ヨセフ、赤ちゃんのイエスさまの絵に、星野正興牧師が文章をつけた絵本です。素敵な絵がたくさんあるのですけれど、その中の一枚をご覧ください。マリアとヨセフと赤ちゃんのイエスさまはこの絵のどこにいるでしょう。クアレックは3人の頭から後光がさしているように描いていますから、すぐに見つけられますね。あれ、あれ?マリアさんは家畜小屋の中でイエスさまを産んだのではなかったの?星野先生はこの絵にこんな文章を書いています。
「ここは教会だろうか、それとも…。大勢の人たちが食事をしている。みんな家と仕事がない人たち。この食事が終わったら、また雪の舞う寒い外に出ていかねばならない。ひとときの暖かさ。その人たちの中に、おやっあの3人がいる。」(『ひとりじゃないよーウイリアム・クアレックの絵と共に』ミスターパートナー、2001)
 クアレックは、もし現代にこの3人が現れたら、どこにいるだろう、という想像力を働かせてたくさんの絵を描いています。どこの場面も目立つところではなく、ひっそりとして人の目を引かないようなところを描いています。牛追いの仕事を一人でしているカウ・ボーイが、貨物列車の中にいる3人をこっそり見ている絵や、工事現場のトレーラーに留めてもらっている3人の絵や、社会の片隅で人知れず孤独や苦労を抱えている人々のところに、この3人はいる、という絵を繰り返し描いているのです。


 クリスマスは、イエスさまの誕生をお祝いする時です。そして、イエスさまの誕生の意味は、この絵本のタイトルのように「ひとりじゃないよ」と、神さまがわたしたちに語りかけてくださっているということなのです。イエスさまがこの地上に誕生したということは、私たちは決して一人ではない、神さまの大いなる愛に包まれている、ということなのです。淋しいな、辛いな、悲しいなと思う時、みんなもそのことを思い出してくれるといいな、と思います。そして、自分には味方がいる、神さまが見守って下さっている、とわかって、心がぽかぽかと暖かくなったら、またがんばろうという勇気と力が湧いてきます。イエスさまはそのようにお生まれになりました。クリスマスおめでとうございます。

クリスマス祝会、しました!(2022年12月19日クリスマス礼拝後)

今年はみんなで、黒いフェルトのパネル板に絵札をはって、イエスさまお誕生の馬小屋の場面を作ってもらいました。
礼拝の前にスタッフで、会堂の座席などに、赤ちゃんのイエスさまを抱いたマリアさん、ヨセフさんをはじめ、羊飼い、東方の3博士、天使、ラクダ、ヒツジ、ロバ、星など全部で20種類の絵札を隠しておきました。礼拝が終わったとたん、「立ち上がって絵を探してきてください。見つけたら前のパネルにはってください」とみんなにお願いしました。

【完成したイエスさま降誕のパネルと共に】
マリアさん、イエスさま、ヨセフさんを真ん中に順調に場面ができあがっていきましたが、最後のひとつがなかなか見つからず…。アッと思ったら、アドベントのろうそくを立てるリースの近くにラクダが一匹。司会者が発見して、これで完成です。
終わりの時間が迫ってきました。あわてて、お友達紹介、松井サンタさんからプレゼント・おやつの贈りもの、記念撮影をして終わりました。子どもの教会のクリスマス、短い時間でしたが楽しんでもらえたでしょうか。(E・S)

★ ★子どもの教会・今後の予定
(くわしいお知らせは、その都度お伝えします)
★3月13日(日)進級進学卒業祝い合同礼拝 午前10時から
★4月17日(日)イースター野外礼拝 午前9時から

日本基督教団三鷹教会イブ礼拝
   2021年12月24日(日)19:00〜19:40

 次の行の三角マーク▶︎をクリックするとイブ礼拝の録音を聞くことができます。

 当日の礼拝プログラムは以下のとおりです。

   前奏
   招きの言葉(点灯)
   讃美歌    讃美歌267番「ああベツレヘムよ」(1節)
   聖 書
      ルカによる福音書 2章1節~20節(新約 102頁)
   祈 り
   讃美歌    讃美歌258番「まきびとひつじを」(1節)ライアー伴奏
   説 教 「わたしたちと共にいます神」
           石井智恵美牧師
   祈 り
   とりなしの祈り
   讃美歌    讃美歌262番「聞け、天使の歌」(1節)
   献金
   祝祷
   後奏

【ガラス絵 大橋夏詠さん作 期間限定公開(2021年アドベントから2022年1/6まで)】

井の頭日誌 <自然と文明のバランス>    石井智恵美

 先日、気分転換に『ウルフ・ウォーカー』というアニメ映画を観てきました。
この映画はアイルランドに伝わる「ウルフ・ウォーカー」という、目が覚めている時は人間で、眠ると霊が体から抜け出し狼に変身するという生き物の伝説を描いています。彼らは森の狼たちを統率し、また森の癒しの力を操ることもできます。映画の主題は、狩人の娘ロビンとウルフ・ウォーカーの娘メーヴとの友情物語です。興味深いのは監督が、このウルフ・ウォーカーが聖パトリックによってキリスト教に改宗しなかった人々への罰だという伝説に着目しているところです。監督はインタビューでこう答えています。「ピューリタン(清教徒)は人間の動物としての一面を悪と捉えていました。しかし、動物としての人間を抑圧することはある意味間違っています。ウルフ・ウォーカーは、文明や社会と自然や野生のバランスを表すものだと思います。」さて、現代に生きるキリスト者はどうでしょうか。映画は中世から近代に向かう時代に、森を焼き払い、畑を開墾するために狼を森から追い出すピューリタンの護国卿という人物を、まさに頑固さの塊として描いているのですが。この映画は西洋版『もののけ姫』だなと思いました。自然と文明の対立とそのバランスーこの難問を問い続けなければ、人間存在の基盤である地球環境の破壊や気候変動は止められないだろうと思いつつ帰途につきました。画面は色彩にあふれ、美しく大人が観ても楽しめるお勧めの映画です。(2020・11・8)